今日は平成最後の日。ということで(?)今回は数理パズル、平成変換を取り上げます。
参考資料によると、平成変換は京都府の上山秀幸氏が平成3年の年賀状で初めて使用したそうです。 その内容を以下に引用します:
下のような規則で自然数Ⅿから別の自然数Nを生成する操作を≪平成変換≫と呼ぶことにする。
『自然数Ⅿの連続した各位の数が、自然数Nの連続した各位の平方に成るか、 または、平方根に成る』
(例)563→2563→163→43→49→7
[問題]
(西暦)1991(年)を(平成)3(年)に≪平成変換≫せよ!
例を見れは平成変換の意味は分かると思いますが、一応、説明します。
563の5を平方数の25に置き換えて2563にし、次に256の平方根をとって163に変換、更に16を平方根の4に置き換えて43、
3を平方数の9にして49を作り、最後に49の平方根をとって7に変換します。
つまり平成変換は、
Ⅿ=[xay] → N=[xa2y] (平方変換)
と
Ⅿ=[xa2y] → N=[xay] (平方根変換)
を何度か繰り返した全体の変換です(x,a,yは任意の自然数。[xay]は、その3つを書き並べてできる新しい自然数。
xとaの最上位桁は0ではないが、xが無い場合もある)。
もう少し平成変換の例を挙げます。見やすくするために、変換する部分を太字で示し、 行う変換は平方変換は(二乗)、平方根変換は(開平)と表記します。
56(二乗)→256(二乗)→6256(開平)→616(開平) →64(開平)→8
281(開平)→29(二乗)→49(開平)→7
平成変換は常に逆方向の変換が可能です。つまり、自然数aを平成変換して自然数bが得られる場合、
逆の手順でbをaに変換できるということです。この関係を、a⇔bと表記します。
証明は参考資料に譲りますが、平成変換には次の定理があります。
定理1 a⇔b ならば [xay]⇔[xby]
定理2-1 2⇔4⇔6⇔8
定理2-2 3⇔7⇔9⇔11
定理3 [xa00y]⇔[xa0y]
定理4 (要約)すべての自然数は1,2,3,5,10,20,30,50に平成変換される (1に平成変換される数は1だけなことに注意)
先の問題、1991⇔3は、10回の平成変換で可能です。答えは参考資料にあるので、ここには書きません。
最後に問題を一つ出します。
[問題]
(西暦)2019(年)を(平成)31(年)に≪平成変換≫せよ!
(答えはこちら)
1に変換できるのは1だけなので、令和元年に変換できないのが残念です。
数学パズルランド : 田村三郎 著, 講談社ブルーバックス 1992年1月20日発行