図1 アンカー・パズル
今回はシルエット・パズルと総称されるおなじみのパズルの紹介です。 これらは一般的に、三角形や四角形あるいは扇形などの幾何学的な形をしたパーツを並べて指定された輪郭の図形を作るというものです。 昔から世界中で制作・販売されており、ネットで検索すれば色々な問題や書籍も見つかります。
図1は、19世紀にヨーロッパで流行したものの復刻版です。 焼いて作ったレンガのようなザラザラした手触りの材質で、見た目よりもかなり重たいです。 パッケージに碇(アンカー)が描かれていたのでアンカー・パズルと呼ばれるようになり、この種のパズルの呼称になったというのを、 何かの本で読んだ記憶があります(書籍のタイトルが思い出せないのが残念)。
![]() 図2 Longram(ロングラム) |
これらの代表格の1つが、図1の右端にあるタングラムです。 図2は、それを一方向にルート3倍に引き伸ばしたもので、Longram(ロングラム)と名付けられています。 オリジナルのタングラムとは違った趣のあるパズルです。 最初「(2倍とかではなく)なぜルート3倍なのだろう?」と思いました。よく見れば判るのですが、大小2つずつある 直角二等辺三角形が一つずつ正三角形になるなど、きちんと計算されています。 |
図3 ラッキーパズル
図3のラッキーパズルも、タングラムと並ぶ定番です。
これも19世紀からあり、十字型に組めることから海外ではクロス・パズルと呼ぶのが一般的なようです。
「ラッキーパズル」は、1930年代に(株)ハナヤマが販売する際に付けた商品名のようです。
このパーツ構成は古代エジプトの墓の模様から取ったと言われていますが、本当でしょうか?
中央にある冊子は別売りの問題集です。一冊あたり90問が収録されており、それが No.1 ~ No.12 までの12冊がセットになっています。 合計で1080問!これを全部解くのは、かなりの修行になりそうです。
右端の2つは、戦前に作られたと思われる樹脂製の製品です。パーツが結構小さく、子供の飲み込み事故防止の観点から、 現在ではNGになりそうなサイズです。
図4 色々なシルエット・パズル
図4は、私が所有しているその他のシルエット・パズルです。
円や卵型のものは、直線だけのとは違って意外な繋がり方をするので、新鮮な驚きを感じることがあります。
これらの大半は全問解いていますが、1問も手を付けていないものも数点あります。
まだまだ世の中にはたくさんあります。可能なら全部遊んでみたいものですが、それにはかなり長生きしないといけないようです。
1) パズル遊びへの招待・オンライン版 :
1−15.知恵の板
著:高木茂男
パズルショップ・トリトのサイト内で公開されている、同名パズル書のオンライン版です。
2) 数学遊園地 : 著:高木茂男 講談社ブルーバックス 昭和51年7月20日発行
3) Theメカニカルパズル130 : 発売発行:(株)講談社 2006年11月20日発行