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雑記帳

2017/12/26 

Gleitbox

Gleitbox コンスタンチン
図1 Gleitbox

 15年くらい前に海外の知育玩具ばかり扱っている店で買った、コンスタンチンの組木細工です。 ドイツ語の Gleitbox は「スライドボックス」という意味のようです。 短冊状の板で構成した4つのパーツ(図2;ネタバレにならないようにモザイク加工しました)を組み合わせて直方体を作るパズルです。
 正確な値段は忘れましたが、結構高かった印象があります。

 それを最近になってやっと遊ぶことができました。図2の状態に分解するのに約15年かかりました。
 「え?そんなに難しい?」と思われるかもしれませんが、ここまで時間がかかったのには、難易度とは別の理由があります。

 買った時の状態は図1のように組み上がった状態でした。あちこち動かそうとしてもビクとも動きません。 付属の解答図を見ながらやっても全く動きません。
 少したって、組み上げた後に表面にニスを塗り、それが接触面の隙間に染み込んで接着剤の代わりになってパーツ同士が 貼り付いていることに気が付きました。どうりで満身の力を込めても動かないはずです。
 不良品として返品してもよかったのですが、そうすると二度と手に入らないような気がしたので返品はせず、 何とかして分解する方を選びました。

 とは言うものの、出来ることはほとんどありません。かなりキッチリと組んであって隙間がなく、動く箇所も全くありません。 仕方ないので、対角線の位置にある角を持ってねじることにしました。その方向に力を加えれば、ニスで貼り付いた部分が はがれるのではないかと踏んだのです。
 でもその考えは甘く、やはり全く動きません。もしかするとこれはパズルではなく、こういう形のオブジェなのでは…と思うくらい頑丈でした。 それでも年に数回、思い出したように取り出しては角を持ってねじるということを繰り返していました。他に良い方法が思いつかなかったからです。

 そして先日、同じようにねじったら初めて「ペキッ」という小さな音がしました。これはもしや!と思って全体を調べてみると、 板の1枚がわずかに持ち上がって隙間を作ることに成功しました。ニスで貼り付いた所の一部がはがれたようです。
 この1ミリにも満たない隙間に小型のマイナス・ドライバーを差し込んで隙間を広げ、貼り付いている部分を完全にはがそうとしました。 ところが力を入れすぎて、今度は「バキッ!」という大きな音と共に板が1枚取れてしまいました。
 しかし運よく、接着剤の部分が2つに割れただけで、木材の方はほとんどダメージがありませんでした。 どうやら、そういう性質の接着剤のようです。また、その衝撃が呼び水になって他の部分にも隙間ができるようになりました。 結局、そうやって1枚ずつ板を取っていって、分解というより破壊をしてパーツを分けることができました。
 図3が、その破壊した状態です。

分解したところ

図2 分解した状態
破壊したところ

図3 破壊した状態…

 破壊した後、木材をよく見てみると、予想通り接触面にニスが染み込んだ跡が多数ありました。 さらに全体的に表面の仕上げが不足していて摩擦が大きく、ニスが無くてもかなりの怪力でないと分解できなかったと思われます。
 そこで元の状態に戻す前に、ニスの染みを細目のサンドペーパーで慎重に削り取り、600番のサンドペーパーで接触面を磨いて滑らかにしました。
 結果、ガタつきが無く、自重で勝手に外れることもなく、少しの力で分解と組み立てが楽しめる組木パズルに修復することができました。
 ここまで約15年、長い道のりでした。

 パズルとしては、バラバラに分解するのが簡単で、元に戻すのが難しい類の物です。難易度としてはそれほど高くなく、初心者向きでしょう。

余談:図3にはモザイクかけていませんが、これから元のパーツ構成が分かる人います?

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